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※安全のため、撮影時は常にリードを着用し、編集でリードを消しています。
この穏やかな時間は、テツさんお一人ではなく、奥様との強い連携によって守られています。風景撮影にはなかった「命を預かる責任」という重み。
撮影中、リードをしっかりと握っているのは、奥様、もしくはテツさん自身。
夫婦間でも、クルミちゃんの命を守るための独自のルールを決めています。
リードをつけていても、クルミちゃんのそばから離れない。
二人のうち、どちらか一人でも「危ない」「不安だ」と感じたら、たとえシャッターチャンスであっても即座に撮影を中断する。
そんな安心感の積み重ねが、あの自然な表情につながっていました。
けれど実際には、そこには常に奥様が握る「リード」が存在しています。
「屋外でリードを外すことは、命に関わるリスクがある。だから撮影中、絶対に手は離しません」
本当はノーリードで駆け回る姿を撮りたい。
けれど、自由の代償に命を危険にさらすことは絶対にしない。
その代わり、テツさんは撮影後の編集で、リードを消していきます。
それは単なる修正作業ではありません。
「命を守るためのリード」と「自由な姿を写したいという願い」。
そこには、愛犬への配慮と想いが、静かに込められていました。
写真に写っていないリードは、実は奥様かテツさんがしっかりと握っていた絆の証。
完成した作品に残るのは、クルミちゃんが安心してカメラを見つめる「自由な表情」だけです。
私たちが目にするテツさんの写す「絶景」は、撮影から仕上げまで、どこまでも溢れる愛によって作られたものだったのです。
Before
After
インタビューを終えて、改めてテツさんの作品を見つめ直してみる。
そこに写るクルミちゃんの安心しきった表情は、テツさんと奥様の徹底した配慮と、命への深い愛が生み出したものでした。
写真から消された一本のリード。それは、作品上では見えなくなっているけれど、確かにそこに“あるもの“です。
力強くリードを握る奥様とテツさんの手。
「何があっても絶対に守り抜く」という、家族の決意。
消されたリードの跡は、目には見えないけれど、決して切れることのない「絆」が写っていました。
「映え」という言葉だけでは決して到達できない、命への敬意。
テツさんの写真は、私たちに大切なことを教えてくれます。
本当の「絶景」とは、テクニックだけで生まれるものではない。
大切な存在を想う気持ちの先に、そっと現れるものだと。
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高校卒業後、独学でグラフィックデザインを学び、デザイン制作を中心とした個人事業としてゼロから起業。その傍ら、8歳の頃から親しんできた写真の世界に改めて魅了され、本格的に向き合うようになる。現在は「想いを写す」フィルム写真家として活動中。