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風景に溶け込む作品の裏側。フォトグラファーRIEさんの眼差し。

私が初めてRIEさんの作品を見たとき、その完璧なまでの美しさに、思わずこう考えてしまいました。

「どれほど細かくポーズを指示し、作品を作り込んでいるのだろう」

風景にお子様が溶け込むその姿は、 まるでおとぎ話のワンシーンのようだったからです。

けれど、RIEさんが語る撮影のエピソードは、私の想像とは真逆のものでした。

「指示は、ほとんどしないんです。」

その一言で、これまで抱いていたイメージが崩れていきました。

フォトグラファーRIEさんが大切にしていること

01. 撮りたいイメージは事前に共有する

この一枚を見たとき、私はてっきり「せーの」で動きを合わせたのだと思っていました。

けれど実際には、RIEさんからの指示は一切なかったといいます。

ただし、撮影前には「元気いっぱいの雰囲気を残したい」といったような、写真の方向性だけは共有していたそうです。

細かくコントロールするのではなく、大枠のイメージだけを共有して、あとは子どもたちに委ねる。

その余白があるからこそ、 子どもたちは自分たちの発想で遊び始めます。

02. 子どもたちだけの「世界」を信じる

ネモフィラの中で、お姉ちゃんが弟くんに何かを囁き、二人で頷き合う。

次の瞬間、帽子が空に舞い上がる。

その一連の流れは、意図的に作ったものではなく、二人の中で自然に生まれた遊びでした。

RIEさんは、子どもたちの世界に入り込むことなく、ただ遠くからレンズ越しに見守っていたといいます。

子どもたちの間に生まれる空気や関係性は、外からの介入によって簡単に変わってしまうもの。

だからこそ、壊さないように、触れない。

そこには、技術以上に「信頼する」という姿勢がありました。

03.「気配を消す」という撮り方

RIEさんが繰り返し話していたのが、「カメラの存在を消す」ということでした。

・あえて距離をとる
・声をかけない
・カメラを構えたまま待つ

そうして、子どもたちが完全にカメラを忘れるまで待つ。

撮ることよりも先に、“そこにいないように振る舞う”ことを大切にしているのです。

その結果として生まれるのが、つくられていない、ありのままの瞬間。

04. 表情や感情をコントロールしない

弟くんがお姉ちゃんにキスをしようとして、お姉ちゃんが照れながら少し距離をとる。

そのやりとりはとても自然で、誰かに見せるためのものではない、ふたりだけの時間でした。

もちろんこの瞬間にも、指示はありません。

「こっち見て」「笑って」そんな言葉が入った瞬間に、それは“その子の表情”ではなく、“応えた表情”になってしまうから。

RIEさんが残したいのは、子どもたちがその瞬間に感じていた、本当の感情。

話を聞いていて、ひとつ気づいたことがあります。

RIEさんの写真は、お子様を風景に「溶けこませている」のではなく、子どもたちが、のびのびと過ごしている瞬間を、ただそっと切り取っているだけなのだと。

創り込まれたように見えたあの美しさは、指示によるものではなく、子どもたちが自由であることから生まれたものでした。

「カメラの存在を消す」ことで写し出されるのは、目に見える姿形だけではありません。

そこには、撮る側と撮られる側の間にある、静かで温かなこころの繋がりが写り込んでいました。
RIEさんのお話を聞いたあと、改めて作品を見ると、前よりもずっと、風の音や、子どもたちの柔らかな呼吸、そして楽しそうな声が聞こえてくるような気がします。

もし、自然な表情をそのまま残したいと感じた方は、RIEさんの作品もぜひご覧ください。

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この記事を書いた人
Kaori Mitani
iedemo graphy Founder

高校卒業後、独学でグラフィックデザインを学び、デザイン制作を中心とした個人事業としてゼロから起業。その傍ら、8歳の頃から親しんできた写真の世界に改めて魅了され、本格的に向き合うようになる。現在は「想いを写す」フィルム写真家として活動中。

今回の取材を通して、 「自然な瞬間はつくるものではなく、生まれるもの」だと改めて感じました。 これからも、誰かの大切な一瞬にそっと寄り添うような作品と、その背景にある想いを届けていきます。 フォトグラファーの方々の想いや撮影の背景も、少しずつ紹介していく予定です。次回もお楽しみに。