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そんな家族との時間を写した写真が、今のumiさんの作品には並んでいる。
以前、umiさんが撮っていたのは、奥様のポートレート。
美しい景色を探し、その景色の中にいる奥様を撮る。
Instagramのギャラリーを見ていると、写すものだけではなく、写真との向き合い方そのものが、少しずつ変わってきたように感じる。
その変化を辿りながら、umiさんが今、写真に残したいものについて話を聞くことにした。
奥様を撮っていた頃、umiさんには、“綺麗な景色と共に、奥様を綺麗に撮りたい“という思いがあった。
美しい場所を探し、構図を考え、一枚の作品として残していく。
けれどその一方で、写真について悩むことも多かったという。
「本当に自分が撮りたい写真って、なんだろう」「なぜ、自分は写真を撮っているんだろう」
SNSに投稿すれば、「いいね」の数が気になる。
どんな写真が好まれるのか。人からどう評価されるのか。
大好きだったはずの写真が、いつの間にか苦しいものになっていた。
子どもたちが生まれ、家族が増えた。
今しか見られない、子どもたちが成長していく姿。
カメラを向ける先は、少しずつ日常へと移っていった。
「今は、ポートレートよりも、スナップの方が好きかもしれない」
そう話すumiさん。今、写真を楽しんでいることが伝わってきた。
撮るものは変わっても、umiさんがカメラを向ける理由は変わらない。
「好きな人を撮りたい」
奥様を撮っていた頃も、子どもたちが生まれた今も、カメラの先にいるのは、いつも大切な人。
今は、以前のように中望遠で被写体を切り取ることが少なくなった。
家族の姿だけではなく、周りの景色も一緒に残す。
写真の中に、余白をつくるように。
その時に子どもたちが大好きだったおもちゃも、できるだけ写真の中に入れる。
あとで見返した時に、記憶が蘇るから。
レタッチも、今ではほとんどしなくなった。
色味を少し整え、過度に手を加えることはしない。
「写真って、そのままを写すものではなかったっけ」
以前は、風景とともに奥様をどう綺麗に撮るのか、技術について考えることも多かった。
けれど今、大切にしているのは、自分にしか撮れない写真。
「今は、僕らしい写真になってきた」
日常を切り取るようになってから、それまで抱えていた写真への悩みも、いつの間にかなくなっていった。
家族との時間は、フィルムとデジタル、どちらでも残している。
普段は、オールドレンズをつけたデジタルカメラで。
誕生日や記念日、旅行、初めて訪れる場所など、特別な日にはフィルムカメラを選ぶ。
あとから見返した時、「いいな」と思うことが多いのは、フィルムで撮った写真だという。
どこか懐かしさを感じる、フィルムならではの色や質感。
一枚の写真から、その時の空気感や記憶まで、思い出させてくれる。
いつもumiさんの近くにはカメラがある。
それでも、「撮り逃したな」と思うことが、時々あるという。
子どもたちの表情や仕草は、同じものをもう一度撮ろうと思っても、二度と訪れない。
だからこそ、今この瞬間の家族の姿を、残していきたい。
そして、子どもたちが大きくなったら、これまで撮り続けてきた写真で個展を開きたいという。
今日もumiさんは、大切な人にカメラを向け、「生きた軌跡」を残していく。
今回の話を聞いて、私の中に残った言葉のひとつだ。
奥様を撮っていた頃から、子どもたちが生まれた今まで。
表現は、変わっている。
けれど、カメラの向こう側にいるのは、いつもumiさんの大切な人たちだった。
綺麗な景色の中にいる奥様も、家の中で過ごす家族も。
今だからこそ残せるものがある。子どもたちが大きくなり、
これまでの写真が並ぶ日。
一枚一枚を眺めながら、私は何を感じるのだろう。
その日が来るのが、今から待ち遠しい。
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高校卒業後、独学でグラフィックデザインを学び、デザイン制作を中心とした個人事業としてゼロから起業。その傍ら、8歳の頃から親しんできた写真の世界に改めて魅了され、本格的に向き合うようになる。現在は「想いを写す」フィルム写真家として活動中。