弟くんがお姉ちゃんにキスをしようとして、お姉ちゃんが照れながら少し距離をとる。
そのやりとりはとても自然で、誰かに見せるためのものではない、ふたりだけの時間でした。
もちろんこの瞬間にも、指示はありません。
「こっち見て」「笑って」そんな言葉が入った瞬間に、それは“その子の表情”ではなく、“応えた表情”になってしまうから。
RIEさんが残したいのは、子どもたちがその瞬間に感じていた、本当の感情。
話を聞いていて、ひとつ気づいたことがあります。
RIEさんの写真は、お子様を風景に「溶けこませている」のではなく、子どもたちが、のびのびと過ごしている瞬間を、ただそっと切り取っているだけなのだと。
創り込まれたように見えたあの美しさは、指示によるものではなく、子どもたちが自由であることから生まれたものでした。
「カメラの存在を消す」ことで写し出されるのは、目に見える姿形だけではありません。
そこには、撮る側と撮られる側の間にある、静かで温かなこころの繋がりが写り込んでいました。